2011年11月29日火曜日

「ここで生まれ育ったんだから、またここに住みたい。それだけよ」

仙台とか東京とかの都会の方から来られる方が、雄勝に(元の所に)
住みたいという方に対してよく聞く質問が、

「どうして、こんな津波がきたのにまた同じ所に住みたいのですか?」
というような内容です。

 そう言われる方は、親身な気持ちで、また純粋な優しさや素朴さで

 「また津波が来るかもしれないから、危ないよ」
 「ここでなくても、高台とか隣の集落とか隣町の方が安全だよ」

と、思って下さいます。本当に有難いことです。

 「仕事は仕事なんだから、高い所に住んで、漁業や商店の施設
  だけ下にあればいいでしょう」

そう思って頂ける気持ちも十分理解できます。


 しかし、残りたいと思う人たちと飲んで話していると、みな、
 
「そこで生まれ育ったんだから、またそこに住みたい。それだけよ」

と。 その言葉が全てだと思います、理屈ではなく。


しかし、その後が問題です。

 その理由を、外部の方はどうにかして問いただそうとします。

 そうすると、少なからず住民はしどろもどろになってしまう。

 それを見て、外部の人は、あぁ、この人はかわいそうだなぁ、
と思ってしまうことがあるのです。
 場合によっては、あなたに危険だと気づかせてあげたい、と
思う方さえいます。。。


元々、当たり前のものが当たり前にあったことを、あえて
活字で表現しようとしてもうまく表現できない。それは
人間だれしもです。

例えば
アメリカ人に

「アナタハ、ドウシテ初詣に行くのデスカ?」

と聞かれると、どう答えますか?

「だって、毎年行くんだから」 で済ませたいです。

しかし、アメリカ人は理解できません。どうして?って。
理屈を聞こうとします。

「まぁ、、、年末年始は休みだし、賑やかなのは楽しいし、、」
なんて、適当に言ってしまったとすると、

「あなたたち日本人って、宗教感なんてない、っていうでしょ。
 だったらなんで神社に行くの。ディズニーランドでもいいん
じゃない。」

とたたみかけてきます。。。


また、原発事故の後、イタリア人から「日本にいると原発あるから
危ないよ、そんな危ないとこでなく、イタリアに来いよ^^」
なんて、心からの愛情を持って言ってもらえます。

 私は、愛国主義者(笑)ではないですが、まぁ、将来、
日本が沈没するから危険だ!というニュースが流れたとしても、
日本を離れて住むことはないですね^^


話が飛んでいるかもしれませんが、

『慣れ親しんだ環境が長ければ長いほど、そこを離れがたい』
というのは、だれしも思うことだ、ってことだけです。

「そんなの自分勝手だ!」という気持ちもわかりますが、

 理屈がつかないから、といって、行政が理屈で計画を進めたために、
大切なものを失ってしまった、ということにならないように、
願うばかりです。

1 件のコメント:

  1. 雄勝人達やあの環境を知っているものから見れば、、やはり離れたくないと思う、納得と理解が出来ます。本当に人と環境が素晴らしい街だでしたから、、神奈川県在住。

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