2012年9月21日金曜日

雄勝小学校のまちづくりプラン (9/22雄勝店こ屋街にて一般公開)

 9月22日に雄勝店こ屋街で「こどもサミット in 雄勝」という
イベントが行われ、その中で雄勝小学校の6年生が
考えたまちづくりプランの発表がありました。


支所のプランをベースにしているものの、自ら
小学生の保護者に細かいアンケートをとった上で
その結果を反映したまちづくりプランを作り上げています。

今年2月に雄勝小学校の生活発表会で披露し、初の一般公開でした。

素晴らしい発表の様子はこちらで → youtube

まちづくりプランの説明はこちら → pdf資料



2012年9月20日木曜日

住民の希望を優先する復興計画は非常識?

「そもそも、日本という国は、大災害が起きた際の復興計画で、
政府(行政)が住民の意志を優先しようという発想はないですよ」

「、、、大災害の復興で優先されるのは、復興を名目とした
官僚(省庁)の予算争奪、ゼネコンや大手企業の利益、
政府(行政)の長期政策の実現化、学者の研究材料、
そして政争の具ですよ」

「、、、これらの力関係で水面下の復興計画(大命題)が
決まった後、その計画に住民が賛同しているという
世論やデータを作っていく”作業”がはじまります。
それがこの国の復興計画というものです」

、、、私が批判しているのではありません。

復興を計画する側にある官僚、行政、学者、コンサルタントなどの方々に
本音を聞くと、『実際はこんなもんですよ』と、もはや共通認識のように
説明してくださいます。 一人や二人でなく、何百人と直接話を聞いても、
このような方針は、計画する側では当然との認識が帰ってきます。

悲しい。

なさけない。




 『住民の声を聞いてほしい』

私達はそれを伝えたいだけなのですが、
大災害の復興計画では非常識だというのです。


行政やその協力者は、冒頭の「大命題」に沿っていれば順調に仕事が進みます。
もし、逆らって住民の意思を反映しようとすると、大変な目に遭います。

阪神大震災では、勇気ある行政職員や専門家が、大袈裟でなく、
自らの将来を投げ打って、住民の声を聞いた復興計画を支持しました。
その多くは潰されましたが、その方々によって、住民の声が優先して
反映された計画が進んだケースもありました。

このブログに目を通されて、住民の声を聞かなければ、と
一人でも多くの方が動かれましたら幸いです。

2012年9月18日火曜日

石巻市HPで災害公営住宅情報が掲載されていました

石巻市のホームページで災害公営住宅情報が掲載されていました。
8月27日付で公開されていたようです。
随時更新されるようですので時々チェックしてみましょう。

http://www.city.ishinomaki.lg.jp/fukkoujyuutaku/saigaikouei.jsp (URL変わったようです9/29)

市街地は着々と公営住宅の建設が進行しているようです。

公営住宅の家賃については、6月の個別相談会の時点の資料と同じです。
市の中心部と半島部で家賃がどう違うのかはまだ資料には載っていません。

6月の個別相談会では、支所で住民が説明された情報やおがつ新聞で市役所に取材した数人の説明は各々違っていました。少なくとも私が市役所で同じ質問を3名に聞いた時には 
・「半島部は周辺家賃を考えても当然中心部より安くなる見込みです」といわれた方もあれば、
・「公営住宅の建設費は土地より建物が主なので半島部も中心部も同じです」と言われた方、
・「中心部は集合住宅だけど半島部は戸建になるのだから半島部の方が高くなります」と言われた方もあり、まちまちでした(笑)
 どうも、その時点では支所だけでなく、市役所でも半島部の情報が定まってなかったようです。

 ただし、説明を聞いた本庁の職員は説得力のある理由とともに「こうなります」と断言される傾向にあるのが困ります。本当に決まっていることならいいのですが、未定の事については、単に決まっていないと言って頂ければありがたいですね。 本庁では夜遅くまで仕事されているようでマンパワー不足を責める人はいないのですから。

 上にあげた公開情報ページの中ほどに、『災害公営住宅ガイドライン』↑ というリンクがあって、専門家向けでちょっとページ数の多いものですが、夢があって楽しい資料です。 理想がいっぱい並んでいますが、できるだけこの通りになればいいですね。

2012年9月15日土曜日

希望を持てる復興計画があれば復興は進む。タイミング次第で。。。

 先日、大学の先生が考えられた案を、計画が住民の意見を反映していない点において指摘させて頂いたのですが、本来であれば、雄勝のために立派な構想を描いてもらえる先生方や雄勝キッチンなど夢のある話は大歓迎と思っています。

 大事なのは、計画やイメージ・資料などを出す『タイミング』です。
(※もちろん、住民の意見が反映されていることが前提です)
せっかくの立派なアイデアも、タイミング/プロセスを間違えれば活かされずに終わります。


 雄勝の場合、プロセスが決定的に違いました。

 大学の先生の案を批判しているのでなく、何で今頃出すの?ということです。


 昨年秋の説明会以降、「伊勢畑の山は造成しても数軒しかたたない」「山公園を切り開いても10軒だけだ」「雄勝中の裏山も津波があがっているからだめだ」「雄勝の山の造成には5年以上、いや10年かかるかも」「そもそも雄勝の山は固くてもろいから危なくて住めない」「私は〇〇(町外)に家を買った、住めば都だ」 など、雄勝の中心部にはもう住めないような説明を繰り返し続け、今年2月の説明会では、「雄勝の中心地には住む所は用意しません。あなた方の住むところは2~4km山奥の原地区です」と実際に、雄勝中心部の非住化計画案まで、図面付きで発表がありました。

 そして、それ以降、中心部について具体的な進展がないままで、今年6月に最終意向調査として、雄勝に戻るかどうか結論を出させてしまっています。 その結果が「中心部に戻らない:85%」です。


 そこまで終わったうえで、今年8月になって、「雄勝未来会議」と称して、雄勝の中心部が生き返るような素晴らしい復興計画、立派な公営住宅のイメージを見せられたわけです。

『いまさら、何なの?』と、避難者が思うのも無理ないです。

東北大学雄勝スタジオが描いた中心部のイメージ図


 まるで雄勝から人を追い出すような計画を進めながら、同時に「雄勝を活性化させよう」と多くのアドバイザーの方が来られても、理解に苦しみます。 住む人がいてこそ、活性化の意味があります。 

 東北大学は小野田先生を筆頭に昨年5月から石巻市と復興計画で提携しているのだから、市の計画はほとんど関与されていたと思います。ちょっと雄勝に寄って案を考えてみました、というレベルでないゆえに、なぜ今頃、このような案を出されるのかは、やはり理解に苦しみます。 


 タイミング、ということを無視していえば、
 個人的には、(高台移転強制という条件しかないという前提であれば)説明会で東北大学が発表された案はとても魅力的だと素直に思います。配置などもよく考えられていると思います。これならば、他の被災地の一部であるような、山の上に限界集落だけができる高台移転でなく、100世帯が比較的納得して住む集落が形成されるのではないでしょうか。 伊勢畑に100世帯、雄勝中ウラと原地区合わせて200世帯にもなれば、中心部に600人程度住むことになり、商業も成り立ちます。

 いずれにしても、後の祭り、でしょうか。
 最初からこのような案が出ていればなぁ、、、と吐き捨てるように言う仮設住宅での声にも元気がありませんでした。

 

2012年9月14日金曜日

雄勝中心部の現状

町内外に避難される住民のみなさんの声を中心に、多くの専門家の方々に力添えを頂きながら、現状をまとめました。データは正式に公開された情報のみを引用しています。



画面をクリックすると開きます
 

2012年9月6日木曜日

石巻市雄勝町の復興: 大学アドバイザーの誤算 その5

亀山紘・石巻市長や市役所の幹部は、住民との意見交換会で
「雄勝のことは雄勝(総合支所)にまかせています」と公言しています。

2006年、雄勝町は、周辺5町(いわゆる「郡部」)と共に(旧)石巻市に併合され、(新)石巻市となりました。

そして併合後に、雄勝町役場を雄勝総合支所として、段階的に職員を1/3以下に減らした上、補充や補完も十分でないとのことです。 このような災害が起こり、現石巻市役所の根幹を成す旧石巻市の職員が「郡部」の復興を任せられても任せらないのが本音でしょう。


住民の声は伝わりようがないほど離散し、放ったらかしにされているのは
これまで述べた通りです。

つまり、
石巻市も、県も、そして、これまで雄勝を知らないアドバイザーの先生方も、
雄勝総合支所の『知恵』なくしては、計画の1ページもできないのです。


雄勝総合支所が石巻市に提出した資料には「雄勝スタジオ」作成のものが多数みられます。

計画をすべて知っているはずのアドバイザーが、
住民の意向に沿わない計画をつくる。

アドバイザーは被害者なのか?
それは、選定された経緯や、計画の進め方、そして今の石巻市からの待遇が明らかになったときに分かることでしょう。

(終)

参考:平成24年8月19日に行われた学生発表会および住民説明会の様子は
    下記サイトにて配布資料とともにyoutubeで見られます。

  http://ogatsu.info/fukko.html

石巻市雄勝町の復興: 大学アドバイザーの誤算 その4

雄勝の中心部(伊勢畑・上雄勝・下雄勝・味噌作・船戸)には、震災前に618世帯・1668人が暮らしていました。

震災によって、中心部は原地区を除き、わずか数軒を残し全て壊滅してしまいました。

家を失った約550世帯/1500人の住民に対して、石巻市が雄勝中心部の住民のために建設した町内の仮設団地は、1か所・42世帯分のみでした。 入居数は37世帯/78人(石巻市資料)。


残りの人は?

隣町、旧河北町の2か所の仮設住宅団地に約150世帯・350人程度、雄勝町(中心部以外の集落も含む)の方が固まって住んでいる程度で、約8割の中心部被災者は、町外~県外に全くばらばらに離散しています。
住民同士でさえ、お互いがどこにいるか分からない状態です。


さて、

アドバイザーの方々は、「住民から話を聞いて計画を立てました」と説明しますが、
誰から聞いたのでしょう?

震災以降、中心部の部落会は機能しておらず、住民同士の話し合いはありません。
”雄勝地区震災復興まちづくり協議会”で、中心部からの避難住民がこう思っている、と、部落会から意見が出たことはありません。
大学が話し合いの場を企画した形跡もありません。

唯一、雄勝中心部について話し合う住民組織である「雄勝地区を考える会」がありますが、ここにアドバイザーの方々が来たことはありません。


聞けるはずがないでしょう。 住民でさえ話し合えない状態で、たまに雄勝に顔を出すアドバイザーや学生が、住民の意見を引き出して計画を作ることなどありえません。

結局、
石巻市(雄勝総合支所)の職員と、アドバイザー、建設コンサルタントが、
国や県の方針に沿って考えた、住民不在のままで案を作っていることが
露呈したのです。


避難して暮らす住民が、時間を割き、遠くからも来た説明会を、学生の発表会にしてしまったことが今まで隠されていた事実を表に出してしまったのです。

(その5に続く)






石巻市雄勝町の復興: 大学アドバイザーの誤算 その3

伊勢畑が中心? 見たこともない移転候補地?

・・・確か、その場所は石巻市(支所)の職員がこれまで徹底して「地盤が固い、危険、造成に10年以上かかる」「ここに高台をつくってもどんなに頑張っても10世帯」であるために、高台候補地にならないと言っていたエリアではないか?


続いて第二部では、石巻市(雄勝総合支所)による『雄勝の復興計画について』が発表されました。

ここで公表された、被災住民の『意向調査 集計』が、学生の説明と大きく矛盾することになります。 (回答率89%) 

そもそも、伊勢畑地区を雄勝の中心にしようと考えていることは、一般住民にはもちろん、協議会、区長など誰にも知らされたことがありません。

そして、中心地として計画をたてる伊勢畑・下雄勝地区には、先のブログ(その2)の最後のスライドにあるように「100世帯」が住む計画になっています。

しかし、支所が第二部で説明した、意向調査の結果では、、、



 ・伊勢畑・・・居住希望者 1世帯/震災前 122世帯
 ・下雄勝・・・  同    13世帯/ 同   116世帯
 ・上雄勝・・・  同     2世帯/ 同  110世帯

   計  居住希望者16世帯 / 震災前 348世帯

※参考までに、雄勝中学校ウラに移転候補地が示されている
 味噌作・船戸地区は、 計 52世帯/270世帯です。


さて、では、アドバイザーの先生・学生の皆さんは、
どこで、誰の意見を参考にしたのでしょうか?

(その4に続く)

石巻市雄勝町の復興: 大学アドバイザーの誤算 その2

平成24年8月19日、「雄勝未来会議」と支所(アドバイザー?)で名づけられた住民説明会には、昨年12月以来の全町民対象の説明会とあって、約300名の住民が参加しました。

参加した住民は、今度こそきちんとした計画が発表されると期待しましたが、
まず、第一部として行われたのは大学生による学習発表会でした。
そこが、誤算のはじまりです。

 ※画像はクリックすると拡大します

ひな壇にて、雄勝総合支所、石巻市役所、アドバイザー、建設コンサルタントが紹介された。

最初にはじまったのは、住民説明でなく、大学生の発表会。

主催の先生は「アーキエイド」なる活動で雑誌にも寄稿し、雄勝の復興に関わっているそうです。
問題の、雄勝中心部についての発表・東北大学雄勝スタジオ
「新たな雄勝の中心となる伊勢畑・下雄勝には、、、」と説明。見たこともない移転候補地が。。。
雄勝中心部復興計画案。海の駅+公共施設+住居地を高さ14mの道路でつなぐ

住戸数は100世帯で計画

(その3に続く)

石巻市雄勝町の復興: 大学アドバイザーの誤算 その1

雄勝町には、昨年5月29日に雄勝総合支所が音頭をとって発足した『雄勝地区震災復興まちづくり協議会』のアドバイザーとして、東京芸術大学のヨコミゾマコト先生、東北大学の堀口誠先生(現立命館大学) 他が入られています。

第2回協議会において、「両先生は、何の見返りもなく遠方からボランティアで来てくださってます。ありがたいことです」と事務局(雄勝総合支所職員)から紹介がありました。
その時は、へぇ~、雄勝には大した人が来られ有難いなぁ、と思った記憶があります。


、、、しかし、どうやらアドバイザーの先生方は、大変な所に来てしまったようです。

平成24年8月19日に、石巻市(雄勝総合支所)主催の住民説明会において、アドバイザーの先生方が主催する「アーキエイド・雄勝スタジオ」の成果として学生発表が行われたことで、住民不在のまま行政やアドバイザー・コンサルタントによる計画が進行していたことが露呈していまいました。

(その2に続く)

おがつ新聞9月号にて復興特集です

おがつ新聞web http://ogatsu.info にて紙面を見ることができます。


※「おがつ新聞」は前向きな話題、復興に進む姿を紹介することを是としておりますが、雄勝内外の避難者から『復興の情報無くして、何が雄勝の日常だ』との声を多数受け、今号の紙面構成に致しました由、ご了承下さい。

2012年9月5日水曜日

情報公開はじめます

雄勝町の復興に関する膨大な情報があります。

これから少しずつ公開して参ります。